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2010-12-27

今年よかったマンガ 2010 23:25 はてなブックマーク -  今年よかったマンガ 2010 - 402 Blog Payment Required

クリス・ウェア (著), 峯岸康隆 (編集), 山下奏平 (翻訳), 中沢俊介 (翻訳), 伯井真紀 (翻訳)『JIMMY CORRIGAN日本語版』
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紙の上で行いうるありとあらゆる手法を用いて描かれる孤独と絶望とディスコミュニケーションの物語。誰からも愛されていない現実と卑俗な妄想の境界を曖昧に漂う中年男性ジミー・コリガンのあまりにも滑稽で悲劇的な人生に救いはあるのだろうか……? 語弊をおそれずに言えば真に文学的な歴史的傑作。



南條範夫 (原作), 山口貴由 (マンガ)『シグルイ
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「くじけない歌」をテーマとしてきた作者が描く過剰で逆説的な残酷物語。グロテスクな描写が頻出する作品だが流麗な肉体からこぼれ出る内臓はむしろ耽美ですらある。効果線や擬音を排した剣戟シーンは刃物のように鋭く冷たい。やや物語が冗長になっているが、一気読みならまったく気にならないだろう。



マーク・ミラー (ライター), ジョン・ロミータJr. (ペンシラー), 光岡三ツ子 (翻訳)『キック・アス』
http://www.amazon.co.jp/dp/4796870814?tag=worldcup1962-22

バイオレンスな表現と少女の殺し屋という組み合わせは日本マンガのカリカチュアにも思えるが、非情な現実の執拗なまでの描写とそれを成さなければならないという切実な意志がこの作品をヒーローものとしてのアメコミたらしめている。とても読みやすい作品なのでアメコミを読んだことのないひとも是非。



Jim Woodring『Weathercraft』
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描線ひとつとっても今にもぐにゃりと変形し世界を裏返してしまいそうな現実から浮遊した不思議な感覚。所謂サイレントマンガでセリフはなく、不条理で奇妙でサイケデリックな描写は杉浦茂を思わせる。この作品はFrankシリーズの一篇なのでまず『The Portable Frank』をどうぞ。



ニコラ・ド・クレシー (著), 小池寿子 (監修), 大西愛子 (翻訳)『氷河期 ―ルーヴル美術館BDプロジェクト―』
http://www.amazon.co.jp/dp/4796870806?tag=worldcup1962-22

カラーリングの魔術的な美しさにほれぼれするが、遠い未来のひとたちがルーブル美術館の収蔵品を発見し失われた過去の文明の生活についてあれこれ的外れな推測を行うというストーリーも皮肉たっぷりでたのしい。同時期に出版された『天空のビバンドム』もすばらしいけれど、あえてこちらを推薦したい。



西村ツチカ『西村ツチカ作品集 なかよし団の冒険』
http://www.amazon.co.jp/dp/4199502149?tag=worldcup1962-22

描線を見ただけであまりの生々しさにめまいがする、驚嘆すべき絵のすばらしさ。推薦の言葉を寄せている高野文子自身が過去そうであったように作家に支持される作家というか悪く言えばマニア向けな面はあるけれど、はまるひとはとことんはまるはず。「ヒロジが泣いても笑っても」はBDファンなら必読。



山岸凉子舞姫(テレプシコーラ)』
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巨匠山岸凉子が描く大作バレエマンガがついに完結した。いまどきの絵柄ではないので若干とっつきにくい印象を受けるかもしれないけれど、あまりの面白さに一度読みだすと止められない。日本ではあまり身近とは言えないバレエについてのガイド本として読んでみても良いのではないかと思える。全15巻。



五十嵐大介『SARU』
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西遊紀やインド神話のハヌマーンなど猿に関する古今東西の神話や物語を引き、これらの「猿」は実はすべて単一の事象を表していたのだとこじつける諸星大二郎妖怪ハンター』のような作品。どうにも全体的にちぐはぐな印象を受けるが、作者の絵の力は他の欠点を補って余りある絶大な魅力を持っている。



ニール・ゲイマン (ライター), アンディ・キューバート (ペンシラー), 関川哲夫 (翻訳)『バットマン ザ・ラスト・エピソード』
http://www.amazon.co.jp/dp/4796870717?tag=worldcup1962-22

バットマンの「最終回」を描いた作品。同時刊行されたアラン・ムーアの『スーパーマン:ザ・ラスト・エピソード』はマニア向けの濃い内容なのだが、こちらはバットマンをよく知らなくても楽しめる。バットマンという作品の持つ歴史の重みと共に柔軟さも感じさせ、コマ表現もかなり凝っていてたのしい。


黒田硫黄『あたらしい朝』
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今年は海外マンガを中心に読んでいたため日本のマンガを読む量は比較的少なくなってしまった。海外マンガマニアの中には日本のマンガを過小評価するひとが多い印象があるのだけれど、こういう作品は日本からしか出てこないのではないだろうか。ひょうひょうとしているというか執着が無いというか……。


このリストは以下の基準で作品を選考しました。

  • 2010年に出版された。
  • 商業出版社から刊行された。
  • 復刊ではない。
  • 完結しているかもしくは続編が発表されても作品の価値が変わらない。

去年選んだ作品はこちらです。

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